1.貴方の産院に、高齢出産の方はどれくらいの割合でいますか?
2.どんな指導をしていらっしゃいますか?
3.実際の出産はどうですか?
●個人産院勤務助産婦(北海道)
1.7〜10%くらい
2.初産婦に対しては、「す」の状態になれることが安産の決めてという話を繰り返す。経産婦に対しては一般的なことのみ。
3.経過が長い方が多い気がする。早い時期から入院を希望したり、気持ちが入り込みすぎたり、ある程度自分自身が予測していたことと自体が少し違ってくるとパニックになってしまう方も。でも自分自身の力でそれを克服されると、見事に落ち着いて素敵なお産をされる方が多いように思う。
●総合病院勤務助産婦(東京)
1.約1割。
2.外来と病棟は別セクションなので、病棟の助産婦は外来の指導にはタッチできない。マタニティー・クラスは病棟管轄だが集団指導なので、特に高齢出産の方を意識した指導ではない。
3若い方より体力がないせいか、分娩経過に時間のかかる方が多いような気がする。特にキャリアを積んだ方は(看護職とか教師とか)訴えも多く、お産が大変。
●助産院勤務助産婦(青森)
1.高齢出産は112人中7名。全体の6.3%。(うち、初産1名、1経産0名、2経産3名、2名、6経産1名。)
2.一般的に合併症、後期出血や先天異常(情報提供はしてもいいと思う)が多くなると言われていますが、特にしていない。
3.人数が少ないので何とも言えないのだが、初産の方は、所要時間18時間で出血量が800mlだった。2経産の方は、3名とも普通に経過し出産(6〜9時間)、出血量も中等量。3経産は1人は微弱陣痛、もう1人は出血が多量で500ml(胎盤が出るまでに7時間)。6経産は出血が多量。という結果だった。疲労度は個人差があり、一概に高齢だから疲労度が高いとは言えないと思う。時間がかかったのに、疲労をあまり感じていない方もいた。高齢に限らず、経産婦さんは出産の回数を重ねる毎に体がきつくなっているのを実感しているようだ。
●個人産院産科医・男性(東京)
1.約1割。
2.リスクとして先天異常の話をする。希望される方にはトリプルマーカーなどの検査をすることもあるが、積極的には勧めていない。
3.体力のある方はいいのだが、お産であまり体力を消耗しそうだったり、産痛が辛すぎてお産へのイメージが悪くなりそうなときには「無痛分娩」を勧めており、好評を得ている。
●助産院開業助産婦(石川)
1.過去3年間のデータでは、年間分娩数に比して5%、10%、16%と増加し、今年度は上半期で31%となった。
2.医学的な高齢出産についての合併症などは特に強く説明していないが、助産院での安全な自然分娩に臨むために、どの妊婦産にとっても必要と思われる一般的な体重管理・貧血予防など、日常に合わせた指導に注意している。特に経産婦さんには、家族にとっての命の誕生をスムーズに受け入れられるよう、兄弟同伴の診断を常としている。また、異常の早期発見と予防のため、定期的な妊婦健診を勧めている。
3.高齢が理由となるような分娩異常は、記録からもほとんど見受けられない。身体的な面では、初産婦の場合も他の年齢者と大差なく、経産婦では、前回の分娩から数年あいても身体的な適応はスムーズなようだ。精神的な面では、分娩、子育ての双方にも少し余裕があるようにも感じられる。
●個人産院勤務助産婦(神奈川)
1.去年のデータでは、8%。
2.外来で個人指導を重点的に行う。当院ではマタニティービクスを取り入れているので、特に高齢出産の方はクラスを受講することをお勧めしている。
3.実際の年齢よりも体力年齢の方が、お産のときには影響する。最近は若い方の方が体力が無く、すぐに「耐えられないからお腹を切ってください」という方が多く見受けられる。
●総合病院勤務助産婦(大分)
1.データを出していないので正確ではないが、だいたい1〜2割。
2.若い方に比べて、貧血防止の食事指導や1日30分のウォーキングなど体力作りを重点的に行っている。
3.高齢出産でも、妊娠中とお産はあまり問題なく経過する方が多い。ただ、出産直後から母子同室を勧めているのだが、高齢出産の方は産後になると疲れが出て「赤ちゃんを預かってください」といわれることが多いようだ。
●個人産院産科医・女性(愛知)
1.35歳以上は月に2〜3件(30件/月)
2.妊娠中毒症の予防のために、体重管理は厳しくしている。
3.マイペースな方が多く、自分はいいお産をすると信じている人が多い。最初の1ヶ月は体力的な問題からへとへとになるが、児の体重増加などに神経質になることもなく、半年もするといい親子関係ができあがる。その人のペースを乱さないように見守ると、うまくいくようだ。
◆REBORN紙 第28号 (2000年7月発行) に掲載したものです。
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