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出生前診断について1日学ぶ 2011/11/23

この20日に、聖路加看護大学で、妊婦さんから質問を受ける現場の看護職を対象に出生前診断の勉強会があり参加してきました。朝から夕方真っ暗になるまでみっちりと、この分野をリードする先生方から学び、学生に戻った気持ちで必死にレクチャーを聞いてきました。出生前診断については何十回も記事を書いてはきましたが、こうして専門的な講義を受ける機会があると本当に助かります。

羊水検査や母体血清マーカーだけの時代と違い、今は超音波による画像診断が進んできたのでこの問題はすべての妊婦さんに関わるものになっています。海外では、超音波検査と母体血清マーカーの組み合わせによるスクリーニング検査が日進月歩の勢いで普及し、ダウン症の赤ちゃんの出生が減少しているようです。

この日は、講師の先生たち全員完全にボランティアだったとお聞きしました。全国の現場から集まった方たちも手弁当の方が少なからずいらしたかもしれません。

終わってから、ダウン症のお子さんを育てているベテランママおふたりと銀座のイタリアンでご飯しました。施設の先生からお聞きするのとはまた違う子育てのお話をたくさん聞くことができました。ワイン片手に、私も今まで気になっていたことをいろいろとおたずねすることができました。

技術の進化について本当に真剣に考えている方たちとの濃い1日でした。


朝日の昇る前 2011/11/20

ファン助産院のイメジェリークラスに参加された方から、時々お産の報告をいただきます。こちらは、この秋に出産された方から。

「お産中、イメージがいくつか湧いていました。
ひとつは青空にふわふわの白い雲が浮かんでいる風景
もうひとつは澄み切った空と一面の白い花が咲いてゆく風景、
遠く地平線には黄色から紫のグラデーションの色
朝日ののぼる前のような感じでした。」

こうしたお産の最中のイメージは、どこからやって来るのでしょう。それはきっと、心の中の特別なところから贈られるギフト。

すてきな空の景色を、ありがとうございます。とても可愛い赤ちゃんのお写真も。


WEBカメラを初体験 2011/11/19

今週は、種子島でへき地医療について話し合うシンポにテレビ会議システムを使って参加するための準備をしました。初めて仕事部屋でウェブカメラをつなぎました。練習で、手取り足取り教えて頂きながら、徳之島のNPO(特定非営利活動)法人「親子ネットワーク がじゅまるの家」につなぎました。あちらのお部屋にあふれる日差しも、空気も見えてとてもうれしかったです。

岩波ブックレット『助産師と産む』の取材では、岩手県の遠野で妊婦健診にこのテレビ会議システムが使われているのを見ました。産科医がいなくなった遠野市は、市内の助産師さんと釜石市の産科医をつなぐシステムを構築して市内健診を始めたところでした。

でも、こうして自分自身の仕事部屋と遠い南の島がつながるのを体験すると実感がまったく違います。その気になればもっともっと人はつながることができるんじゃないの?・・・医療にも、もっといろいろな形があるべきじゃないの?・・・そんな実感がわーっと湧いてきました。島の方たちのパワーにあやかり、いい体験をさせていただいています。

日本には、島内出産ができなくなった島がたくさんあります。できているところも綱渡りをしています。また、できればいいというものではなく、安全にできなくてはなりません。シンポでは、そのための試み−ITの利用や助産師さんたちの活躍など−が全国から報告されます。