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アルプスの美しい町で 2015/02/20

雄大なアルプスの町、長野県駒ヶ根市で講演させていただきました。ここも晩婚・晩産化、少子化、そして産科医不足のすべてに悩んできた町のひとつです。駒ヶ根の結婚や出産の平均年齢は、東京都と変わらないんですよ。
今、お産はひとつのクリニックと開業助産師さんたちの助産院が支えています。少子化対策の部署の室長さんは三人のお子さんがいる女性。講演には手話通訳の方が入り、市のすべての人を応援したいという願いが伝わってきました。市長さんも、はじめは「私のようなおじさんが妊娠の話を聞きに来ていいのかな」などとおっしゃって引いていたのですが、結局真剣な面持ちで最後まで聞いてくださいました。
皆さんの努力が花開いていきますように・・・。


あの『育児の百科』の編集者さんと会う 2015/01/27

今日はすごい方にお会いしました!
岩波書店が百年の歴史の中で一番売った本は何だと思いますか?
それは、松田道雄先生の『育児の百科』なのです。『育児の百科』とは核家族化が進んできた高度経済成長期に激変する子育てを支え、150万人の母親が座右に置いた日本の代表的な育児書です。
私は今度岩波で出す人物史の一部で松田先生について書くのですが、その取材として当時の担当編集者さんにお会いしたいとお願いしたら、87歳で大変お元気な田沼祥子さんという編集者さんにお会いすることができました。
田沼さんが子育てをしながら超人的なガンバリを見せて、この20世紀の大ベストセラーができていたことがわかりました。そして、その後の介護生活のお話も忘れられません・・・。田沼さんは松田先生のご使命でこの本をたったひとりで担当されましたが、先生は子どものいる女性とこの本を作りたかったそうです。
私は松田先生の本で自分の感じていたことに自信を持ち今の仕事を始めた人間なので、今日は原点のメイキングに触れられて、本当にしあわせでした。同席したほかの編集者さんたちも大感激していました。


立冬に 2014/11/06

ぽったりとした満月が空に浮かび、今年も立冬となりました。

今年は昨年出した『卵子老化の真実』の流れで出産年齢に関する講演を各地でさせていただく機会が多く、遠方はけっこうあちこちへ出かけたのです。現在の政府は出産対策に熱心ですし、加速する晩産化に歯止めをかけるべく、自治体で産み時についての支援を始めるところも少なくないようです。

しかし、今年の私の生活は、夏以降、その講演の仕事を除いて本当に出ていません、つまり都内は歩いていません。禁欲的に、次の本をまとめるために時間を割いてきました。でも、始める前からわかっていたことですが、出生前診断について語るのは本当に難しい・・・。

いつしか、出生前診断、遺伝学、そして中絶といった見出しの本に埋め尽くされている今の私の本箱。こうした言葉を娘はどう思って見ているのかと思ったら、今、高校の社会には世界史、日本史などと並んで「現代社会」という科目があり、そこで出生前診断は扱われているのだそう。

母体血血漿中のフリーセルDNAを調べる検査「NIPT(新型出生前診断)」が始まって1年半が過ぎ、新聞やテレビが報道合戦をしていた時期は過ぎましたが、今だから、書けることがあります。出生前診断には、知って驚いた事実がいくつもあり、それを咀嚼するのに、私も長い時間がかかりました。でも、必ず、この原稿は、今年中に校正にして年を越したいです。

そのために、目標を達成したお祝いの旅を予約したりした、この週末。それから、今日は適当に大量にりんごを煮たので、これからアップルパイにします。余裕ありすぎでしょうか。でも、もちろんパイ皮は冷凍。