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・・・に行ってきました 2011/09/16

というわけで(昨日に続く)娘と産婦人科に行ってきました。家から30分もあれば着く場所に、若い女性のかかりつけ医になっていただくのによさそうなビル診療の女医さんを見つけて。

ドアをあけると、まあ、待合室にはすごい数の患者さんでした!

年頃にして20代中頃から30代中頃と思われる女性たち。まさに、私が絶えず妊活的な記事で仕事をしている雑誌の対象読者となる年代です。

みんな心配そうな顔をしてすわっているのを見ていると、誰にも「どうしたの?どうしたの?」とお聞きしたくなりました。もちろんだまって座っているのだけれど、胸の内はおせっかいおばさんそのものと化した私でした。

私がふだん取材でおたずねするところはお産中心のところなので、妊娠をして来た人ばかり。そういうところとは、同じ産婦人科でもまったく違う空気が流れていたように思います。

待合室には大きな液晶画面があり、そこにはテレビ放送ではなく、頸がんワクチン、風疹抗体など若い女性向きの大切な産婦人科情報が次々と流されていました。

本当にたくさんの人が待っているので先生は忙しそうでしたが、てきぱきと笑顔で診察をこなしていらっしゃいました。

こんな先生が、今すごく求められているのかもしれません。言ってみれば、助産院のように身近な悩みを相談できる方が。

私は、先日のドックは頸がん検診しかできなかったので卵巣・子宮の超音波と体がん検診お願いします、と話したら「あー、わかるわかる」とふたつ返事で、あっという間にやっていただきました。娘もいろいろと聞けたようで、本当によかったです。

子宮と卵巣をもって毎月排卵する女性ってホントに大変な性ですけれど、若い方たち、がんばって!そして、いつの日かかわいい赤ちゃんを抱いてください。このご時世の下、ワクチン代や治療費の捻出は大変だと思うけれど、自分の身体は自分で守るしかないですものね。


「親子検診」で産婦人科 2011/09/15

昨晩は日本産婦人科医会の記者懇談会で子宮頸がん検診の新しいスタイルやワクチンの普及について最新情報をお聞きしました。

頸がん健診は、今までの細胞診にプラスしてHPVウイルスのDNAも調べる方法「細胞診・HPV-DNA検査併用子宮頸がん検診」が普及に向け同会内部で進み出したようです。これは私も『AERA with Baby』で書いたりしましたが、ごく一部の施設でしかおこなわれていなかった、費用もかかる方法でした。でも、こ方法のいいところは、前がん状態の見落としがほとんどなくなること。そして、これが陰性なら検診が3年に一度でよくなると言われていて、課題の費用アップも実は相殺となる可能性が高いそうです。

頸がん検診の普及活動。これはワクチンと共に、母娘双方にとって大きなことでした。いえ、大きなこととしなくてはなりません。なぜかというと、お母さんと娘の「親子検診」が増えたという声をちらほらとお聞きしているからです。お母さんは検診、お嬢さんはワクチン、というわけです。

そうすると女の子は、「お母さん、検診受けていたな」という記憶から、いつか自ら行動してくれるようになるでしょう。また、産婦人科特有の「敷居の高さ」もこのときにうまく乗り越えられれば、高齢妊娠で妊娠して初めて産婦人科にかかるというような方も減ることが期待されます。

そして、自分は「妊娠して初めて産婦人科に行った→それ以来行ったことがない」という状態だったお母さんも、娘可愛さに産婦人科へカムバックできるのではないでしょうか。

ただ実際には、公費で補助される頸がんワクチンは内科や小児科で打つことも多いです。ですから、そうするとお母さんの頸がん検診はできません。それに公費補助でワクチンが受けられる年齢では住民票のある市内の医療施設に行き先が限られます。わが家も、私は先日のドックで検診をすませてしまったりしていまして、うーん、けっこう難しい。

でも、これからは親子検診の習慣を目指してみようと、このたびネットで一緒に通うのによさそうな産婦人科探しをしました。やはり、そんなに遠くなくて、婦人科の身近な相談に親身にのってくれそうなところ。分娩は必ずしもしていなくていいわけです。今週か遅くとも来週には、確実に行ってこようと思います。

地域で娘のお母さんたちに会う場に行きますと、よく検診やワクチンの話題になります。
「受けた?」
「受けた方がいいの?」
「受けたよ。痛かったって言ってた!」
などなど。関心は確実に高まっていて、いい感じです。

男の子だけのお母さんも、どうか波に乗り遅れないでご自身の検診を受けてください。

頸がんワクチンは、9月15日から4価のワクチン「ガーダシル」も公費補助を使って打てるようになりました。尖圭コンジローマという病気も防げるワクチンです。こちらは今までかなり高価だったので、ワクチンも受け時だと思います。


高齢出産 感動の影で 2011/09/10

自分でも経験し、体験者にも取材して、高齢出産って本当にうれしいお産だと思います。

ただ、それは産めた場合・・・

そこ、そこなんです。

うれしい人がいる影に、産めなかった人がいる、それが晩婚・晩産の現実です。

日本受精着床学会に、この2日間プレス参加をして、さまざまなシンポや演題を拝聴いたしました。勉強ではありますが、何よりもその現実をリアルに感じとりたいという思いでした。

予想以上に、不妊治療の現場は患者さんの高年齢化が進んで、40代は不妊治療の医師にとってはメインの年齢層になっていました。そして、たくさんの発表で、「出産年齢の上昇は日本の出産の最大の課題」という発言が聞かれました。何人の医師が、自施設の患者の年齢構成を示したことでしょう。大都市の不妊治療の施設では、全患者の中で40代が占める割合は約半数に迫っているようでした。

分娩をしている施設の年齢構成では、40代は、多いところでもまだ1割程度です。

この差が意味するものは、とても重い現実です。