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障害児保育「アニー」の見学 2015/07/22

昨日、日本初の障害児訪問保育「アニー」の訪問保育を訪問先のご家庭で見学させていただきました。
NICUに長く入院していた赤ちゃんが特別なケアが必要な状態で退院してくると、お母さんは上の子のための外出さえままならない状態になりがち。
そこを助けてくれるアニーの保育は、研修を受け、その子と仲良くなった保育士さんが、最長1日8時間も、自宅に来て遊んでくれます。訪問看護師さんとも連携しながら、吸引や胃瘻などが必要なお子さんをみてくれるのです。訪問看護やレスパイトとも違い、お母さんは、希望すれば、復職も可能になります。
今回私は「訪問看護と介護」(医学書院)の他の方の取材に同行させて頂きました。
『出生前診断』の取材で、赤ちゃんの障害が不安な女性たちがみんな「子どもに障害があったら仕事なんかできないでしょう」と口をそろえていたからです。そういう方には、当時知ったばかりの「フローレンスさんが障害児保育を始めるらしい」というニュースを伝えていましたが、それを聞いただけで、表情ががらりと変わった方もいました。お母さんがしっかり自分自身であり続けると言うことは、子どもがどのような状態で生まれたかにかかわらず大切なことだし、子どもにも必要なことだと思います。
関心がおありの方は、ぜひアニーのサイトをご覧ください。
http://annie-hoiku.jp/
そして、保育士さんを熱く募集中なので、意欲のある方が周りにいらしたらぜひお声かけを。まだ、きわめて少数の人しか受け入れができていないそうですが、こうした保育にチャレンジできる保育士さんがたくさん現れることが拡大へのひとつの鍵になるそうです。


国際会議と横浜市の次世代育成事業 2015/07/20

7月20日、第11回ICMアジア太平洋地域会議・助産学術集会プレコンとして、開催地の横浜市と共同の次世代育成事業「これからの日本で子どもを産むということ」というタイトルの講演しました。さすがに国際的な大ホールの音響は素晴らしく、ものすごく話しやすくて驚きました。
対象は中学生、高校生。市内の学校全体でちらしが配布され、どなたでも会場のパシフィコ横浜に来て頂ければ無料で入場していただけるという仕組みでした。学会に来た助産師さんも合わせて全部で800名ほどの方が来て下さったようです。
今、みんなの少し先を歩いている20代、30代、40代の女性に晩産化というとても大きな変化が起きているんだよ、ということをしっかりとお伝えしました。助産師さんがご自分の娘さんを連れてきたらたくさんノートを取りながら聞いていた、聞いたことがない話ばかりで来てよかた!と言っていた等の声があとから届いて大きなやりがいを感じました。
本日以降3日間、全国及び全アジア太平洋地域から助産師さんが集結する横浜へ、ぜひお出かけ下さい。

第11回ICMアジア太平洋地域会議・助産学術集会
http://www.icmaprc2015.org/


高齢出産は人生後半の健康につながる 2015/07/10

オレンジページ からだの本」で再び妊娠したい人のための企画やっています。全米18000名の看護師さんが協力したハーバード大学の「看護師健康調査」のこと、妊娠しやすくなる魔法の食べ物やサプリはありませんよ!、ということなどを紹介。今、日本でインターネットや書店にあふれている不妊治療の情報があまりにもビジネスになっていることをどれだけの人が気付いてるでしょうか・・・。
京都に、以前からお会いしたかった志馬クリニック四条烏丸院長・志馬千佳先生もお訪ねすることができました。嬉しいことに志馬先生は私の『卵子老化の真実』(文春新書)をたくさんアンダーラインを引きながら読んでくださっていて「特に、ここですよね!」と示していただいたのは、高齢出産は養生への意識が高まることで人生後半の健康につながる、という部分。そう!そこは本当に肝なんですよね。私たちは女性をおどすために年齢の話をしてはいけなくて、すでに高齢妊娠世代となった女性にはしっかりとそのチャンスをつかんでほしいと思っています。
しかし、クリニックに流れるほのかな生薬の香りにうっとりしながらも、私は高齢出産後18年もの歳月を経て当時得た気づきを忘れかけていたわれとわが身について反省・・・。
クリニックのある京都の四条通は来週の祇園祭を控えていい雰囲気になっていました。松田道雄の若いときの随筆に宵山の盛り上がりと人が引けていく気配を遠くに感じながら夜勤の夜が更けてゆくという情緒あるくだりがあり、それを思い出したりしながら帰りました。