『WHO勧告に見る望ましい周産期ケアとその根拠 マーズデン・ワーグナー著 井上裕美・河合蘭 監訳 メディカ出版 2002年 ¥3,990(税込) ISBN978-4840402644
◆WHOは、なぜ医療に慎重か?--科学的根拠はここにありますREBORNスタッフが監訳書のひとりです 監訳者コメント WHO(世界保健機構)は1985年、、ヨーロッパとアメリカの事務局で周産期−お産前後の時期−ケアの見直しをおこなった。出産前、出産、産後について三つの会議を米国、ブラジル、イタリアで開催し、勧告を発したのである。その内容は医療行為の使いすぎをいましめ、ヒューマン・タッチのケアを奨励するもの。欧米のお産は、賛否両論の渦となり、たくさんの議論が起きて、産科医療に大きな影響を与えた。 アジア地域事務局に属する日本では、この勧告は、残念ながら知られなかった。しかし、WHOが全体レベルでこれに取り組め始め、「WHOの59ケ条」も知られるようになった今、日本がこに立ち返り、学ぶものは大きい。 著者ワグナー氏はWHO母子保健局長として会議の仕掛け人を努めた人物。周産期疫学者として日本にもたびたび来日し、2001年には国立研究所で講演を行ったりしている。 本では、WHO会議開催の全容と、会議で提示された優れた研究論文の紹介がされる。会議後の新しい文献も多数加えられている。ずっしり400頁の手応えある本だが、専門家の方にはぜひチャレンジして欲しい。 (REBRON 河合 蘭) 内容 周産期ケアに関する問題点を歴史的経緯を含めて整理。一般に用いられている周産期医療技術を科学的根拠に基づいて徹底的に検証。産科医・小児科医・助産婦の必携書。 目次 第1章 論点 著者プロフィール ワーグナー,マースデン[ワーグナー,マースデン][Wagner,Marsden] サンフランシスコに生まれ、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で博士号(医学)を取得。専門の臨床トレーニングを受けたのち、大学院で2年間研究を行う(理学修士)。数年間、UCLAで常勤の勤務医と引き続き教授を務めたのち、カリフォルニア州保健局の母子保健部長となる。6年間コペンハーゲンのUCLA研究センター長を務めたのち、WHO(世界保健機関)の母子保健局長として15年間を過ごす。先進国の母子保健に関する広い経験を活かして、50カ国以上でコンサルタントとして講義を行い、アメリカ連邦議会、イギリス下院、フランス国民議会、イタリア議会、ロシア議会、デンマーク議会で証言を行った。そのほか、UCLA医学部の優等賞を得る。7人の子どもをシングルファーザーとして一人で育てた。 この本が買えるページ amazon.com |
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