 『代理出産――生殖ビジネスと命の尊厳』 大野和基著 集英社新書 ¥735(税込) ISBN978-4087204926
◆代理出産を依頼した女性、出産した女性、生まれた子らに、丁寧に取材
1990年代初頭から、代理出産の関係者に直接取材を続けてきたフリージャーナリストによる本。代理出産を依頼した女性、出産した女性、生まれた子、娘を代理出産で失った女性、姉妹に代理出産を頼まれて出産後、姉妹とも実母とも絶縁状態になった女性。母が代理出産した女の子。そこに見えるのは、悩み、葛藤、理不尽さ。大野氏は、代理出産の乳とも呼ばれる斡旋業者、代理出産に反対して何度も法廷に立つ弁護士にも取材している。あまりにも知られていない、代理出産当事者たちのリアリティ。それらをふまえて大野氏が出す結論とは。 (REBRON 白井千晶)
本の紹介より 搾取か?福音か? 子どもをもつ最後の手段が「代理出産」だとしたら── 不妊に悩む夫婦にとって「福音」といわれる生殖補助医療、代理出産。しかし、代理母の精神的・肉体的負担、貧困層のブリーダー階級化、親子関係の定義づけの難しさなど、現実はシビアな問題が山積みだ。日本でも法整備を進める動きがあるが、代理出産をめぐる議論はまだまだ不十分。このテーマを長年、追いかけてきた著者が複雑な代理出産の問題の核心に迫る! 著者プロフィール 大野 和基(おおの かずもと) 1955年、兵庫県生まれ。東京外国語大学英米学科卒業。1979年に渡米し、コーネル大学で化学を、ニューヨーク医科大学で基礎医学を学ぶ。その後、現地でジャーナリストとしての活動を開始、医療問題から経済まで幅広い分野の取材・執筆を行う。1997年に帰国した後も頻繁に取材のため渡米。米国の最新事情に精通している。訳書に『外科の夜明け』(小学館)。
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