『重い障害を持つ赤ちゃんの子育て―陽だまりの病室で2』 亀井智泉著 メディカ出版 1,890(税込) ISBN978-4840421782
◆脳死状態で4年あまりを生きた陽奈ちゃんとの日々から語る幸せな子育て、医療のあり方
出生直後に脳死状態になった陽奈ちゃんの記録を記した『陽だまりの病室で』の著者による本。重い障害を持つ赤ちゃんを育てている親と、そうした家族に寄り添う医療者のために、葛藤や罪悪感、内なる差別意識、親の思い、チーム医療のあり方、在宅医療、脳死臓器移植に対する考えが率直に述べられる。痛みを伴ったであろう著者の言葉は、子どもに重い障害がなくても、医療者でなくても、心の奥底に響いてくる。すべての親に、そして親子を支援するすべての人に薦めたい本。 (REBRON 白井 千晶)
目次 第1章 心の旅 1 悲しい現実を目の前にして 2 「なぜ?」――真実を知りたい あなたは悪くない――「自責の念」に答えて/医療者の方へ/医療への「なぜ」/お産をめぐる医療 3「なぜ、私が?」――運命に対する「なぜ」 運命の不条理への怒りと「犠牲」への気づき/医療者の方へ 4 内なる差別に気づく 5 自分の中に新たな光を見出す 6 これからどうなるのでしょうか 7 いつか来る別れのとき 我が子の旅立ち/旅立ちを見守り支えるもの/祈りながら受け容れて 8 私たちには何ができるでしょうか 愛して、信じて、祈ること/味方をつくろう/同胞の力/チームをつくろう 第2章 チーム医療を始めよう 1 赤ちゃんのいのちについて医療スタッフと話し合うとき パターナリズムへの反省/パターナリズムに代わるもの/医療はサービス業か 2 子どもを囲むチームをつくっていこう チーム医療に親を組み込む/チームの中での私の失敗/「わがままな親」の心の重さ/「わがままな親」にならないためには/医療スタッフ同士の関係は/チームのかたちは同心円/チーム内の情報の流れ/急性期・緊急時のチームのかたち 3 医療の成熟がもたらすもの 職種の細分化と専門化/医師のヘゲモニーから抜け出す/情報の流れが医療を変える/幸せなチームをつくるには 第3章 お家に帰ろう 1 「お家に帰る」ことと「病院がお家である」こと 「お家に帰る」という夢/「病院がお家、でもいいんだよ」/在宅療育と家族の幸せ 2 助かったいのちの行き場は? 3 地域の福祉・母子保健――家族を支える公の力 保健師に望むこと/行政による支援/医療と地域福祉の溝を生むもの 4 お家に帰ろう 「お家に帰りたい」と思ったら/お家に帰るまで――子どもの側に必要なこと/お家に帰るまで――家族の負担感/在宅療育を支える新しいシステム――e‐MADOの紹介 5 在宅看護10年――よっちゃんのお誕生会 第4章 脳死による臓器移植
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