『インファント・マッサージ ママの手、だいすき!〜-赤ちゃんの心と体を育むふれあいの智恵』 ヴィマラ・マクルアー著 草間裕子訳 春秋社 2001年 ¥2,100(税込) ISBN978-4393713396
REBORNコメント 乳幼児の知覚や行動などの科学的な解明が進むにつれ、伝統的な育児方法が見直されてきている。本書で紹介されているインファント・マッサージも、インド古来の赤ちゃんマッサージにスウェーデン式マッサージや、リフレクソロジ−、ヨーガなどを統したもの。本書では、マッサージの必要性から具体的な方法までをわかりやすく解説している。 かつてインドの孤児院で働いていた著者は、大人から子どもまでが日常的にマッサージをしている様子に驚く。そして著者自身がマラリアにかかると、近所の女性たち全員がかわるがわる歌をうたいながら、熱が下がるまでマッサージを続けてくれたという。その経験から著者は、自分の子どもにも毎日マッサージをするようになり、その効果をわかちあおうとマッサージのカリキュラムを作ってクラスをはじめる。彼女の研究は新生児のタッチケアにも大きな影響を与え、1986年には国際インファント・マッサージ協会を設立。いまや27カ国以上に支部を持つ国際的なNPOにいたるまでになった。 文章は子守唄を聞くように読んでいて心地よく、写真の赤ちゃんたちの表情もいい。人の手によるシンプルなマッサージという方法は、おんぶにだっこと赤ちゃんとベタベタに触れ合ってきた伝統のある日本人にとっては、受け入れやすいだろう。また、マッサージをするのはなにも母親に限らない。父親に向けた章もあり、マッサージは父親が積極的に子育てに参加するきっかけづくりにもなりそうだ。 (REBRON 三好菜穂子) まえがきより(一部抜粋) 「タッチ」という贈り物 インファント・マッサージは、赤ちゃんの扱い方を学ぶものであると同時に、身体のふれあいそのものになじむための方法でもありました。1960年代や70年代に親になった私たちの世代は、親密さや「自由に触れる」ということが今よりも少ない時代に育ってきたのです。そこで登場したヴィマラの天真爛漫な本は、アメリカに「ふれあい革命」を引き起こしたのです。インファント・マッサージは革命的であると同時に、実は古来からある考え方でもあります。そしてそのすばらしい点は、誰にでも可能であるということです。簡単で、しかも健康にいい。あなたもあなたの赤ちゃんにとっても無害で、しかも無料。赤ちゃんをマッサージするのに、特別な技術や才能が必要などとは思わないでください。それは自然にできるようになるものです。マッサージを通して赤ちゃんは自分のことを親に教え、親のほうはどのように触れればよいのかおのずからわかってくるのです。 インファント・マッサージは赤ちゃんの心を豊かにするだけでなく、親にも同じ効果をもたらします。インファント・マッサージがつくるふれあいの伝統は、これから先もずっとあなたとお子さんの絆を強めてくれることでしょう。 「マザーリング・マガジン」創刊・発行人 ペギー・オマーラ 目次 なぜ赤ちゃんにはマッサージが必要か? 著者プロフィール ヴィマラ・マクルアー 出版社の紹介文(一部変更) 赤ちゃんへのマッサージは古来、世界各地で行なわれている。肌と肌とのふれあいは親子の絆を強め、生涯にわたる安定した心身の基盤をつくるからである。本書は、世界数十カ国で実践されているインファント・マッサージのプログラムを初めて紹介する。 この本が買えるページ amazon.com |
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