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『はじめてであう小児科の本』改訂第三版 山田真著  柳生弦一郎 画 福音館書店  2002年  ¥2,730(税込)   ISBN978-4834018899

◆おもしろく読めてしまう病気の本

病気に関する知識を深めておけば、いざといときに役に立つ。とは、わかっていても医学書はどれも辞書のようなものが多く、読み進めるのは難しい。でも、この本はひと味違う。病気の症状や治療法だけでなく、普通の風邪と扁桃炎を見分けるのは医者でも難しいことから、抗生物質の乱用が起こっているなど「医学の内情」が書かれているのが大きな特徴であり、おもしろい。

全488ページとボリュームのある本だが、著者の山田先生の語り口とその内容が雑誌のコラムのようで楽しい。予備知識として読んでおくべき「からだのしくみと病気」の第1部、「おなかが痛いと言っているけれど、何の病気かしら」と症状で引く第2部、薬害や公害など医療に関するエッセイをまとめた第3部、そして、山田先生が「何度も繰り返して読んで欲しい」とおっしゃっている救急処置の第4部。初版から18年、長い間多くのお母さんから、絶大なる支持を受けてきたこの1冊。おすすめです。

(REBRON 淺井 明子)

同じ著者の本 『続・はじめてであう小児科の本』


カバーから

こんなにまじめに本当のところを書いた小児科の本を私は知らない。医学はわからぬことがたくさんあり、刻々と変化する。それが親に不安と不信を与えるのだが、そこを山田さんはごまかさず、自分の反省すらこめて、いっしょに考えてくれる。しかも医者として責任を持つべきことは、外国の主な文献まで網羅して、きちんと答えている。その証拠に今度は新しい情報を入れて改めるべきところはちゃんと改めている。その語り口も平易で親しみに満ちたものだ。まさに「初めて出会う」みんなの小児科の本といってよい。(毛利子来)

まえがき(第1版)より

私の診療所も患者さんの数はたいへん多くて、どうしても「三分診療」ふうになってしまいます。患者さんにいろいろ詳しく説明したいと思っても時間に追われてできないことが多いのです。それで、病気の説明を書いた印刷物を作ってわたしたりはしてきましたが、そうしたものには十分な内容をなかなか盛り込めません。医学の基本的なことから説き起こして、「じゅうぶん納得のいった理解」をしてもらえるようなものを一度書いて患者さんや一般の方たちに読んで欲しいとかねがね思っていたのです。(中略)

医者だけが知識をひとりじめにしているのはよいことではありませんから、わたしが持っている程度の知識は皆さんの前にできるだけ公開してみようと思いました。それを機転にして、子どもたちの健康のために何をしたらよいのかをわたしと読者の皆さんとご一緒に考えていくことができたらと考えたのです。

目次

第1部 からだのしくみと病気(感染する病気、アレルギーの病気 腎臓の病気、心臓の病気、血液の病気、神経の病気、耳の病気、くり返し病)
第2部 病気の症状とその処置(発熱、発疹、履く、下痢、便秘、腹痛、頭痛、口が痛い、咳、血尿、タンパク尿、おねしょ、顔色が悪い、すぐ病院へ行く病気、うつる病気、病気のこどもの生活)
第3部 薬と医療をめぐって(予防接種、薬のはなし、薬害の話、東洋医学について、漢方薬について、昔の病気・今の病気)
第4部 救急処置(窒息の処置、人工呼吸と心臓マッサージ、水におぼれたときの処置、毒物をのんだ時の処置、やけどの処置、頭の打撲の処置、すり傷・切り傷の処置)

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はじめてであう小児科の本


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