『子どもが病気になったとき―家族が抱く50の不安』 春秋暮らしのライブラリー 池田文子 著 春秋社 2002年 ¥1,785(税込) ISBN978-4393726013
◆重い病気の子を持つ親の迷い、不安を相談できる本タイトルはどの親でも身近に感じられるが、これは、実は重い病気になった子どもを持つ家族、医療者その他子どもと家族を支援する人々のための本。著者は(財)がんのこどもを守る会でカウンセリングに当たっているソーシャルワーカーだ。ご自身が、12歳の時に重い腎臓病を煩って長期入院をしたことがあるというが、そのご経験が生きている気がする。 副題にあるとおり内容は合計50の質問とその答えで構成され、6部に分かれている。。「子どもの病気が診断されたとき」「入院生活のなかで」では過酷な状況での衝撃、混乱、絶望を支える言葉が。また、長期にわたる闘病生活の中でぶつかる切実な迷い―家に残されたきょうだいのことや夫婦の気持ちのすれ違い、学校や近所へどう話すか―についても具体的に答えている。「退院後の生活」では、復帰の時に待っている問題への対処を教えてくれる。 「病気になった子どもの気持ち」では、子どもたちは、深刻な病気の時も大人たちよりも自分らしく生きていくことができ、大人の考えだけで何もかも決めるべきではないという。「病状が深刻になったとき」ではターミナルの時の過ごし方に触れられるが、ここでも子どもの視点が感じられる。 最後の「患者家族と関わる身近な方へ」では、家族を囲むあらゆる人たち−医療者、学校の教師、友人、医療ボランティアに向かって、家族にどう接したらよいかのアドバイスが書かれている。たとえば、「がんぱれ」と言わないで、むしろ泣ける場になること、自分の苦労話やお説教をしないこと、病状について根ほり葉ほり聞かないこと等で、ぜひ知っておきたいことばかりだ。 巻末には病気別の全国の家族会・本人の会一覧など、充実した資料集がある。 (REBRON 河合 蘭) ◆著者がカウンセリングをされている会のホームページ (財)がんのこどもを守る会 この本が買えるページ amazon.com |
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