『誕生死』 流産・死産・新生児死で子をなくした親の会・著 三省堂 2002年 ¥ 1,365(税込) ISBN978-4385360904
◆もっと認められてほしい、亡くした赤ちゃんへの愛2002年春、この本が出たとき、書店で、ハッピーな雰囲気のお産本売り場に積まれていた光景は、画期的だった。これは、不当にも日陰に置かれていた種類の親子のきずなに、表通りの本来あるべき席を与えた本である。 今 まで死産というテーマはこの場では「妊婦さんの不安をあおる」ということでほとんど触れられてこなかった。まるでタブーのように扱われてきたのだ。そのタ ブーを打ち破るように、この本では、死産や、生後間もない時期の死に直面した親13名が、何が起きてどのように感じたかを書いた。心にしみ通るような言葉 は、なくなった赤ちゃんへの愛に満ちている。そして、お腹の中でなくなってしまった赤ちゃんの、短くても確かにがんばって生きてきた存在を認めて欲しいと いう願いが込められている。「誕生死」とは、親にとって、死産も確かな子どもの誕生であったという気持ちが表された造語だ。 「早 く忘れなさい」「すぐ、次の赤ちゃんができるわよ」という、よくあるなぐさめは、赤ちゃんの存在を否定し、死産した人を最も傷つける言葉。死産だと 「ショックだから」「情が移るから」という理由で赤ちゃんとの対面をさせないという産院もあるが、しっかり赤ちゃんを抱いてとお別れの時が持てることも大 事−お腹の中ですでに親子はつながっているのだから。医療者の方には、必読書。ご自身に悲しいお産の体験があって、その気持ちがなかなか話せないで来た方にも一読をおすすめします。 (河合蘭・REBORN) 内容 この本が買えるページ amazon.com |
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