『私は、産みたい』 野田聖子著 新潮社 2004年 1,260(税込) ISBN4-10-472901-9
◆高齢妊娠の焦りを赤裸々に描く「私は早く子どもが欲しいから結婚したの」排卵日の夜、夫に拒まれて激高した野田さんの言葉。彼女の口からは、こんな子どものように素直な、そして焦る女性の苦悩がにじみ出た言葉がぽんぽん飛び出す。 結婚の時、友人の林真理子さんから「高齢での結婚にはかかりつけの産婦人科医が必要よ」とアドバイスを受けたというエピソードも妙に心に残った。 妊娠したいなら医療の力を借りること、そのストレスとうまく闘うことは、今や、一部の女性の間でたしなみと化しているのかもしれない。 この本は国会議員の不妊治療記というだけで「売名行為」とネットに書かれているが、決してそんな本ではない、と思った。スーツ姿での出血や内診な ど生々しい描写には驚いたが、女性が男性社会で男のふりをする時代が終わった象徴のようでもある。女には、どうしたって子宮があるのだ。ずっと頭脳で闘い 勝ち抜いてきた女性が、初めて子宮で闘い、腹で泣いた記録。 (REBRON 河合 蘭) オビより 目次 著者プロフィール この本が買えるページ amazon.com |
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