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『その子を、ください。―特別養子縁組で絆をつむぐ医師、17年の記録』 鮫島浩二著  アスペクト 2006年  1,470(税込)   ISBN4-7572-1236-4

◆血のつながりはなくても、実の親子以上の絆を人は作り出せる

 ボランティアで17年間にわたり、27組の特別養子縁組に関わってきた産婦人科医が出会った、さまざまな親子の絆の物語。特別養子縁組とは、特別な 事情により実父母が育てられない6歳未満の子どもを養親が引き取り、法的に実子と同じ扱いを受けられる制度で88年から導入された(普通養子縁組との違い は、巻末の解説に詳しい)。
紹介される親子のなかには、日本に暮らすアメリカ人夫妻が日本人の養子を引き取った国際養子縁組というケースもある。人間関係がますます希薄になっている この時代。実の親子であっても、わが子を他人のように突き放す親がいる一方で、血のつながりはなくても、実の親子以上の絆を人は作り出せるということを本 書は教えてくれる。

(REBRON 三好菜穂子)


オビより


この子を、養子に出します
特別養子縁組とは、法的に実子と同じ扱いを受けられる制度のこと。さまざまな理由で養子を出す親が存在する一方、何年も養子を待つ多くの夫婦がいる。その どちらもだれもが真剣で、せつない。ボランティアとして、養子縁組の仲介に携わってきた医師が語る、家族の絆のかたち。

目次
プロローグ 特別養子縁組という名のボランティア
特別養子縁組成立までの私の関わり

手放すとき
「生まれても手放すしかなかった」女子高校生の母親が見せた涙と笑顔
「子どもを育てていくことが親を苦しめる」結婚相手にだまされた女性が選んだ道
「幸せを願うことしかできない…」15歳で養子を出す娘と父親の葛藤
「育てたいけれど、親に言えない…」未婚のまま養子を出すことになった人々
「産みたい、でも育てられない…」既婚でありながら養子を出す人々

出会うとき
「子どものいない人生」という選択が、私たちにはできませんでした。
本当の親子なんだけど、血がつながっていないだけなんです。
「ママの赤ちゃんで生まれたかった」養子を迎えた親が悩む「真実告知」の壁
血のつながりはなくても、愛し合うことを決めたら家族です。
この子を育てるために、子どものできない体だったんです。

解説 特別養子縁組という制度
エピローグ 手放すとき、出会うとき

著者プロフィール
鮫島浩二(さめじま・こうじ)
さめじまボンディングクリニック院長。81年、東京医科大学卒業、昭和大学第一解剖学教室にて博士号取得。東京警察病院産婦人科、中山産婦人科クリニックなどをへて、現在にいたる。日本アロマセラピー学会副理事長、国際ボンディング協会会長。主な著書に『わたしがあなたを選びました』(主婦の友社)など。
さめじまボンディングクリニック」ホームページ

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その子を、ください。


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