 『つくられる命−AID 卵子提供 クローン技術』 坂井律子・春日真人著 NHK出版 2004/05出版 ¥ 1,575(税込) ISBN978-4140808757
NHKスペシャル『「親」を知りたい〜生殖医療・子どもからの問いかけ』など6本の番組をもとに書かれた。私が読ん だ生殖補助医療の本の中で、この本は圧倒的に、一番面白い。それは多分「こんなことをしたら、未来にこんな悪いことが起きるかもしれない」という推測では なく、ここでは、人工的生命の第一世代だった子どもたちが成人し、現実の思いを語っているからだ。事実は、百の理論より読ませる。
本の幕開きは米国。自分の半分であるドナー精子の提供者を探し続ける54才の男性を訪ねる。なんと彼は母親から告知を受けるずっと前から、「家の中にもうひとり誰かがいる」気がして仕方がなかったという。
作り出された命の心、精子バンク最新事情、そして人となることなく再生医療の材料として作られる人工生命も始まっていることなどを、感性豊かな筆で見せてくれる。そして素晴らしく冴えた明快さは、さすがNHKスペシャル。 (REBORN・河合 蘭)
目次 序章 "つくられる"命 第1章 私の「親」は誰ですか 第2章 ビジネスチャンスと倫理の狭間で−精子バンクの今 第3章 精子・卵子提供のルール 第4章 声をあげ始めた日本の「子ども」たち 第5章 脚光を浴びる受精卵
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